「プロテインはいつ、どれくらい飲めばいいのか?」という問いに対し、世界で最も信頼される機関の一つである国際スポーツ栄養学会(ISSN)が、膨大な研究論文を精査した上での公式声明を出しています 。
「2017年の発表ではありますが、この声明は現在もスポーツ栄養学における最高権威のガイドラインとして、その価値は一切変わっていません 。」
今回は、このポジションスタンド(公式声明)から、私たちが知っておくべき「筋肉の賢者のための鉄則」を、ボディビルダー✖️筋肉研究者としての考察を交えて徹底解説します。
補足:ISSNってどんな団体? 国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、スポーツ栄養学に基づいた情報の提供に特化した、非営利の学術団体です。その公式声明(ポジションスタンド)は、世界中の膨大な研究データを客観的かつ批判的にレビューして作成されており 、科学的に最も信頼できる指針の一つとして、プロのアスリートや研究者のバイブルとなっています 。

つまり、SNSで流れてくる「個人の感想」や「最新(と言いつつ怪しい)研究」とは、情報の重みが全く違うということ。
「科学界の最高裁判所が出した判決」
そう考えてもらうのが一番わかりやすいですかね。このガイドラインに従うことは、最も効率的で、かつ安全な道を選ぶことを意味します💡
1. 1日の「総摂取量」:常識を超える最新知見
まずは「1日で合計どれだけ摂るか」です。これまでの常識を覆すデータも含まれています。
- 基本の摂取量: 大半のトレーニング愛好家にとって、筋肉量を維持・増加させるには、1日のタンパク質摂取総量が体重1kgあたり1.4〜2.0gの摂取が適切です 。
- 脂肪を落としたいなら: 最新の証拠では、トレーニング経験者が1日あたり体重1kgにつき 3.0gを超える超高タンパク摂取を行った場合、体脂肪の減少にポジティブな影響を与える可能性が示唆されています 。
- 減量期の筋肉維持: カロリー制限中に筋肉を落とさないためには、RDA(推奨栄養摂取量)の2〜3倍(1日あたり体重1kgにつき 1.6〜2.4g)という高いレベルの摂取が推奨されます 。

減量中こそタンパク質量を増やすのが鉄則。普段の実験で筋肉細胞を見ていると、材料(アミノ酸)不足がいかに致命的かひしひしと痛感します。
2. 1回あたりの「質」と「量」:スイッチを押すのは誰だ?
筋肉の「合成スイッチ」を入れるための条件を、分子レベルで最適化しましょう。
- 最適な1回量: 一般的には、高品質なタンパク質を体重1kgあたり0.25g(一回あたり)、または絶対量として20〜40g摂取することが推奨されます 。
- 「ロイシン」が鍵: 筋タンパク質合成(MPS)を最大化するには、1回あたりのタンパク質に700〜3000mgのロイシンが含まれていることが理想的です 。
- ホエイの優位性: 吸収が速く、ロイシンを豊富に含むホエイプロテインは、MPSを刺激する上で最も効果的です 。

mTOR(筋肉の合成スイッチ)をハックするには、アミノ酸の「血中濃度の上昇速度」が重要💡ホエイプロテインが優れているのは、ロイシン含有量が高いだけでなく、その吸収スピードによって血中アミノ酸濃度を一気に高め(アミノアシデミア)、強力に合成のシグナルを送れるからなんです💡
3. 「タイミング」と「頻度」:24時間の戦略
「筋トレ後30分」という言葉に縛られすぎてはいけません。反応はもっと長く続いています。
- 均等な分配: タンパク質摂取は、3〜4時間おきに1日を通して均等に分配するのが最も理想的です 。
- 感度は長く続く: 筋トレによる筋肉の合成感度は少なくとも24時間持続しますが、時間の経過とともに徐々に低下していきます 。
- 就寝前のカゼイン: 寝る前に30〜40gのカゼインを摂取すると、夜間の合成率と代謝を高め、筋肉の回復をサポートします 。
【MISAの深掘り】100gはドカ食いじゃない。「戦略」だ。
以前私がブログで書いた「100g戦略」。ISSNの声明には、これを裏付けるロジックがあります。
* 科学的根拠: 70gという高用量のタンパク質摂取は、40gと比較して、筋肉の分解(MPB)をより強力に抑制することが報告されています 。
合成(MPS)のスイッチを入れるだけなら20〜40gで十分ですが、次にいつ食事が摂れるかわからない時、あえて100g級の摂取をすることは、「合成」のピークを作りつつ、「分解」を長時間にわたってブロックする高度な防衛戦なのです。

多くの人は「筋肉合成(MPS)の限界値」しか見ていないけれど、重要なのは「分解(MPB)」をいかにくい止めるか。100g級の摂取は、アミノ酸を長時間にわたって血中に滞留させ、筋肉の分解に強力なブレーキをかける「防衛戦」だと思っています。次にいつ食べられるか分からない状況なら、100g摂取は決して無駄じゃない、理に適った戦略かなと考えています✌️だけど基本は3〜4時間おきに1均等に分配することが大事です✨
4. 高タンパクによる安全性
「高タンパクは内臓に悪い」という不安を科学が打ち消します。
- 腎臓・肝臓への影響: 健康な人が、1年以上にわたり高タンパク食(最大で体重1kgあたり 3.3g /日 程度)を続けても、腎機能や肝機能に有害な影響を及ぼした証拠はありません 。
5. タンパク質の質と供給源:効率を科学する
何を食べるかは、細胞レベルでの反応を左右します。
- ホールフード vs サプリメント: 基本は、未加工の食品(ホールフード:肉、魚、卵など)からタンパク質を摂取することが大事です 。しかし、大量のトレーニングをこなすアスリートにとって、サプリメントは摂取カロリーを最小限に抑えつつ、適切な質と量を確保するための重要な手段です💡
- 「最速」の刺激: 必須アミノ酸(EAAs)を高比率で含み、かつ十分なロイシンを含有する「吸収の速いタンパク質」が、筋タンパク質合成(MPS)を刺激する上で最も効果的です 。
- バイオアベイラビリティの差: タンパク質の種類や質の違いは、摂取後のアミノ酸のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能:どれだけ体が利用できるか)に直接影響を与えます 。
- EAAが真の主役: アスリートは、すべてのEAAsを含む食品に焦点を当てるべきです。なぜなら、MPSのスイッチを押し、筋肉合成プロセスを全うさせるために必要なのは、非必須アミノ酸ではなく「EAAs」だからです👩⚕️

「筋肥大という精密なパズルを完成させるには、必須アミノ酸(EAA)という全ピースが揃う必要があるわ 。 基本はホールフードで大きなピース(基礎栄養)を埋める。でも、ハードなトレーニングで必要量が増えた時、食事だけで全部埋めようとすると脂質やカロリーがオーバーして『脂肪』という余計なピースまでついてしまうのがネック 。だから、サプリで足りないタンパク質だけをピンポイントで補完する。これが、スマートに体を変えるための『精密な補給戦略』ですね💡
6. 特殊戦略:持久系アスリートと「夜」の活用
筋トレ勢以外も、そして寝ている間も、筋肉の代謝は止まりません。
- 持久系アスリートの鉄則: パフォーマンス向上のためには、まず「十分な炭水化物摂取」が最優先です 。その上でタンパク質を追加することで、筋肉の損傷を抑え、回復を促進するメリットが得られます 。
- 就寝前のカゼイン戦略: 寝る前に30〜40gのカゼインタンパク質を摂取すると、脂質分解(脂肪燃焼)を妨げることなく、夜間のMPSと代謝率を上昇させることができます 。

「寝る前に食べると太る」は、高タンパク・低脂質のカゼインには当てはまらないようです。夜間のMPSを高めることは、12時間筋肉を守り抜く戦略の「最後の一手」です。
まとめ
1️⃣ タンパク質摂取総量を確保する: 1.4〜2.0g/kgをベースに、目的(減量など)に応じてさらに高める 。
2️⃣ 質と分解抑制を狙う: 未変性タンパク質、EAA、ロイシンを戦略的に使い、MPS(合成)を上げ、分解を抑制する 。
3️⃣ ハイブリッド摂取: ホールフード(肉、魚、卵など)と高品質サプリを組み合わせることで、筋肉成長を逃さない。
結局のところ、魔法のプロテインがあるわけではなく、「科学的なルールに基づいた継続」こそが最強の戦略👩⚕️
2017年から現在に至るまで揺るがないこのエビデンスを、あなたの体で証明してみてください✌️
エビデンスは武器。賢く食べて、理想の体を作り上げましょう!


コメント